スタッフの旅日記
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添乗員ピンチ!台湾でまさかの「ひとり足りない!?」事件簿

これは、「山口敬之ジャーナリストと行く台湾ツアー」で実際にあった、冷や汗ものの出来事です。

参加者は全国各地から集まった40名。現地・台湾の松山空港と桃園空港で合流し、

そこからツアーはスタートしました。集合時間を大幅に遅れて到着する方や、飛行機の到着が

遅れる場合、ご自身でタクシーを拾ってもらい、時間帯の合う訪問先で合流というスタイル。

タクシードライバー=お客様=私=ガイド=ドライバーと電話を連携させて合流する場所を決める。

これまでその方法で何の問題も起きたことはなく、むしろこのちょっとした連携プレイを楽しんで

おりました。全員が揃った時の達成感は何にも代えがたいものがあります。自己満足といえば

自己満足ですが、

そして、ここから本当のお仕事が始まります。

その前に添乗員とガイドの違いを説明させていただきます。

添乗員=旅行会社に所属して、旅行全体のスケジュール管理やお客様対応、緊急時の対応等

旅程管理全体を担当いたします。あの山の名前は何?等の質問には答えられません。

歌も原則は歌えません。そして資格が必要です。

ガイド=観光地でのスポットや施設の開設、お客様を楽しませる観光案内やバス運行の

サポートをいたします。原則的に資格は必要ありません。

事件はある朝に起きました。

この日は高雄へ向かうため、台北駅から新幹線に乗るスケジュール。私たち一同はホテルからバス

に乗り込み、台北駅を目指す予定です。このツアーですが途中参加者の離団や合流が頻繁にあった

ため、人数確認には普段から細心の注意を払っておりました。座席も毎回シャッフル式で、

(昨日ここに座っていた方がいない!!)といったことはなく、その分「今日は誰の隣かな?」

というワクワクも!そんな中、最終人数確認前にとあるお客様が「あっ、山尾さん!

ホテルのカードキー持ってきちゃった!」と一言。私はフロントへ返却するためにすぐにカード

を受け取り、バスを一旦離れました。その時、現地ガイドさんが「人数はこちらで数えておきますよ」

と申し出てくれたので、「じゃあお願い!」とお願いすることに。戻ってくると、ガイドさんが

笑顔で大きなOKサイン。「全員揃っていますよ!」というジェスチャーに安心して、

バスは出発しました。添乗員がOKしないとバスは出発できないのです。

さて、台北駅が近づき、私は新幹線のチケットを配り始めます。今回もランダムで手渡し。

ところが―――チケットが1枚、余ったのです。「???」思考回路が追いつきません。

「誰かもらっていない方は?」「予備チケット?いやそんなはずない…」

「あっ、ガイドさんの分かも?」と渡そうとすると、ガイドは「私、もう持ってます」と。

そこで、ようやく嫌な予感が確信に変わります。 台北駅到着直前、点呼をしてみると…

まさかの“1名足りない”…!

新幹線出発時間まではすでに30分を切っていました。ホテルまでは片道15分前後。往復30分なんて、

もうギリギリにもほどがある…!

覚悟を決めて、私はガイドさんに荷物と皆さんの誘導を任せ、2人分新幹線チケットと現金、

そして最大の武器、携帯を握りしめながらタクシー乗り場へ猛ダッシュ。台湾人のドライバーは

とても気さくで、Google翻訳でホテル名と状況を伝えると、「わかった、任せろ!」とばかりに

ガッツポーズ。新幹線の出発時間を知らせると一瞬たじろぎましたが、、猛スピードで発進!!

*台湾のタクシードライバーは中国語のみしかわからない方がほとんどです

その間に置いてけぼりのお客様とも連絡を取り、ホテル前で待ってもらうように依頼。

そして無事に合流できました。帰りの車内では全力で平謝り。

話しを聞くと、お客様は出発前に「フロントへ荷物を預けてくるので少し待っててください」

とガイドに伝えていたそうです。翌日の宿泊ホテルが同じホテルだったので、高雄へは1泊分の

必要最低限の荷物で行くように言っておりました。

“はいはい~”と返事もあったとのことですが、現地ガイドさん、言われた先から忘れてしまったのか、

日本語を完全には理解できていなかったのか…。

でも、何よりもこのトラブルの全責任は添乗員の私。最終確認を怠った私のミスです。

そして台北駅に戻ったのは、なんと発車5分前! お客様と一緒に駅構内をダッシュ!

なんとか車内に滑り込み、ギリギリで間に合いました!!もし間に合わなくても後続の自由席

で向かうつもりでおりましたが。落ち着いてから皆さんに日本からお持ちしたお菓子を配りに行くと、

思った以上に心配してくださっていて、各々から暖かいお言葉をいただき胸がいっぱいになりました。

旅は生もの。そしてハプニングは“思い出”に変わる。でも、二度と同じことは繰り返しません!

あの時ご参加いただきました皆様、本当にご心配をおかけしました。

そして、ありがとうございました!

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やめられない富士登山の魔力、3回目の登山
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